
みなさんの中には、薄さを表す数値として「屈折率」、重さを表す数値として「比重」があることを知っている、という人もいるでしょう。
実は、この2つの数値のほかに、レンズを選ぶうえで大切な数値「アッベ数」というものがあります。これはレンズ周辺部の「にじみ度(色収差)」を表すもので、簡単にいえば「見やすさ」を判断する目安になります。
このアッベ数が大きければ大きいほど良いとされていますが、レンズを薄くするために屈折率を上げると、アッベ数が小さくなってしまいます。また、レンズには薄くするほど比重が重くってしまいます。
アッベ数 |
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屈折率 |
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比重 |
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つまり、「薄さ」だけでレンズを選んでしまうと、レンズの軽さや見やすさのバランスが崩れ、結果的に眼に負担をかけることになります。
ですから、レンズは薄さだけで選ぶのではなく、あなたの眼にあった「薄さ」「軽さ」「見やすさ」を考慮してレンズを選ぶことが大切です。
タイプ | 超高屈折 A | 超高屈折 B | 高屈折 A | 高屈折 B | 耐衝撃性 | スタンダード |
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屈折率 | 1.74 | 1.70 | 1.67 | 1.60 | 1.53 | 1.50 |
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アッベ数 | 31 | 36 | 31 | 40 | 43 | 58 |
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比重 | 1.47 | 1.41 | 1.37 | 1.32 | 1.11 | 1.32 |
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【HOYA調べ】 |
さらに屈折率・比重・アッベ数の3つの数値のバランスに加え、「球面」「非球面」「両面非球面」といったレンズの設計の違い、レンズの表面にどのような加工を施すかによって、最適なレンズが決まります。
もうひとつ、レンズ選びで注意しておきたいことがあります。
一般的に、屈折率が高くなるほどレンズの価格は上がっていきます。
いまは、レンズ付きのセット価格が当たり前の時代となっていますが、高い屈折率のレンズもセット内容に含まれることを打ち出し、お得感をアピールする眼鏡店が存在します。また、それほど視力の悪くない人に対してまで、屈折率の高いレンズをおすすめするショップもあるようです。
セット価格だからと安易に選択せずに、「アッベ数」や「比重」も含めてレンズを選ぶようにしましょう。
細かい数値を覚える必要はありません。ただ、レンズを選ぶ際には、こちらのページで案内した3つの数値のことについて眼鏡店のスタッフに聞いてみてください。
しっかりと答えてくれるかどうかも、優良店かどうかの判断材料になりますよ。