
メガネが曇ってしまう理由は、温度変化等によってレンズ表面に細かい水滴がついてしまうからです。結果的に、レンズにまっすぐに入ってくるべき光が水滴で乱反射してしまい、眼鏡をかけている人間は視界が遮られてしまいます。
これは、コップに氷水を入れた時に、表面に水滴が付いたり、寒い時期にストーブ等の暖房器具を用いた時にガラスのサッシに水滴が付くのと同じ理屈です。例えば、花粉のシーズンに、メガネの方がマスクをかけていてレンズが曇っているのを見たことがあるでしょう。これはマスクの上部から呼吸とともに暖かい湿った空気がメガネの中に流れこみ、温度差のあるレンズの上で細かい水滴が生じてしまうからです。
では、どのようにすればレンズは曇らないのでしょうか?
それには、レンズ表面に水滴を作らないようにする工夫が必要になってきます。
手っ取り早い方法は、レンズの曇り止めを使用することです。汚れをしっかり落としてから、レンズに適量を薄く塗り広げるだけでOKです。価格も500円程とリーズナブルなうえ、効果は長持ち。多くの眼鏡店でも、レンズの曇り止めは扱っていますので、眼鏡を購入するついでに買ってみてはいかがでしょうか。
そのほか、マスクのノーズブリッジ部分を一折して曇りを軽減したり、レンズに石鹸水を塗り乾燥させてから磨く、眼鏡を温める、自分の唾を垂らし流水ですすぎティッシュで軽く抑え乾かす…などの方法があるようです。
眼鏡のレンズには、「防曇レンズ」という曇りにくい特性を持ったレンズがあります。
このレンズは、親水性のコーティング剤をレンズの上に施してあり、温かい湿った空気がレンズに当たっても水滴が形成されません。ほとんどの眼鏡店で購入が可能なので、相談してみるのもよいでしょう。
しかし、防曇レンズにしたからといって、必ずしも曇らないわけではありません。コーティングというのは、常に剥がれるリスクを伴います。ですから、長持ちさせるためには、定期的に塗布剤によるメンテナンスが必要となります。息を吹きかけ、効果が薄れてきたなと感じたらお手入れするようにしましょう。
なお、防曇コーティングのレンズには市販のメガネクリーニング液は決して用いないで下さい。コーティングが剥がる原因となります。